横浜丸中青果グループ 横浜市場センター株式会社

WHAT'S A "WHOLE BUYING FIELD"?畑まるごと買いって?

アメリカのように広大な敷地を利用している畑とは違い、日本の畑は起伏がある土地に点在して存在しています。そのような立地だとどうしても日陰が出来たり、水はけや肥料の届き方にばらつきが出てしまうもの。結果、出来上がった農作物にもばらつきが出てしまうものです。そんなばらつきの出た農作物を全部まとめて買い取る。それが「畑まるごと買い」です。YSCが力を入れ始めたこの取り組みは、一体どんなものなのでしょうか。

ひとつの畑から出来る農作物も等階級はバラバラ……


どんなに丹精こめて生産しても、すべて同じクオリティのものを作ることはできない。これはすべての生産者に共通する課題だと思います。
例えば茨城の白菜畑で見た光景。
春先に出すための白菜が、紐で縛った状態で畑に並んでいます。
そこを見ていると端のほうは小さい白菜しかありません。
ひとつの畑の中で、いろいろな状態の白菜が出来ている。
どこの畑やハウスでも同じようなことが起きています。
少しの違いで規格外になってしまえば、出荷することも出来なくなってしまうのです。

今まで出荷出来なかったものまで買い取ります。


現在「畑まるごと買い」の取り組みを少しずつ始めた葡萄園があります。
取り組みを始める前のシーズン、そこで規格外の葡萄を見せてもらいました。規格外の葡萄はたったひとつ潰れている粒があるだけ。その粒を抜くと確かに穴があいたようになってしまいますが、味はA品と同等のレベルです。
でも売れない。それだけで商品価値がなくなってしまうのです。
それをどうするのか聞いたら、近くのワインづくりをしているところやパン屋に持っていったものの、それでもさばききれなかったとのこと。
味はむしろ市場の評価も高く、葡萄の中では高級なレベル。その話を聞いて販売出来ない現状をどうにかしたいと思いました。

そこで提案しました。
「A品、B品、そして規格外になるC品までまるごと売ってください」と。

販売出来なかったものから利益と価値が生まれる。


葡萄園では、試験的にまるごと買いの概念でC品の買取も始めました。
A品からC品まで、すべてをまとめて買うということで、トータルで値段も設定します。

販売出来なかった規格のものを、欲しいという人がいる。それだけでも生産者にとっては嬉しいものです。

葡萄園の生産者も、廃棄しないことがモチベーションも上げたと嬉しそうに語ります。
「形を変えたとしても、育てた青果農作物はちゃんと消費者まで届いてほしい。これからはもっと本格的に取り組んではねだし(廃棄分)がなくなるようになればと思います。この取り組みをするなかで、YSCの営業担当の方から販売する店舗のイベントに呼んでもらう機会を得ました。実際に消費者の顔を見られたのも嬉しい経験でした。こうやって新しい取り組みにどんどんチャレンジして、農業の活性化にも繋がればと思います」。

等階級にも地域性がある。


同じく「畑まるごと買い」に取り組んでいるトマト農家の方は言います。
「青果の等階級は、その形や大きさだけでなく、地域によって微妙に判断に違いがあったりもするんです。他の地域で言ったらBマイナスぐらいのクオリティだけど、この地域の判断だとD品になってしまうようなこともあったりする。青果を取り扱ってる人達の間では、数値だけじゃない判断基準がぼんやりと存在したりするわけです。そこを「畑まるごと買い」でひきとってもらえると、実際の品質は悪くないのにD品になってしまったものも、なんらかの形で届けることが出来る。それは生産者としては本当にありがたいことです。トマトであれば大手メーカーのジュース材料用に引き取ってもらうこともあるんですが、そこまで加工しなくても十分美味しいのにと思うこともある。トマトとして消費者の口に届いてくれる嬉しさはやっぱりありますね」。

畑まるごとの年間収益が見える。


畑全体をトータルでやりとりすることにより、生産の段階から畑の大体の年間収益も見えるようになります。そもそも、農家の年間収益というものは見えにくいもの。それが、大体の等階級の比率と数から考えて、畑ひとつから年間でどれだけの収益が出るかを計算できるようになる。これも「畑まるごと買い」の大きなメリットのひとつです。
「今まで販売出来なかったものには価値があるとは思っていなかったんです。それが売れる。それだけでもありがたいんですが、もうひとつの大きな収穫が「情報」なんです。今まで知らなくて無駄にしてきたことがたくさんあるんだということがわかった。みんなが捨てている販売出来ないからからそれが普通になっているんです。きっと他の畑にもそういうものがまだたくさんある。だからもっと広く「畑まるごと買い」が浸透するといいなと思っています」。
(前出のトマト農家)

気づくことの大切さ。


規格外の青果物も、ただ市場の規格に当てはまらないだけで、青果物としての品質は保っているものが多いものです。
でも今までの常識から、産地ではそれを販売出来ないことが当たり前と思っていました。
産地が気づいていないこと。
消費者が気づいていないこと。
お互いに知らなかったことを情報として共有しよりよい循環をしていけたら、農業全般の活性化にもお役に立てるのではないか。
そんな気持ちから、YSCでは「畑まるごと買い」に取り組んでいます。

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